絵コンテとは?動画制作での役割・作り方と発注のポイント

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絵コンテとは?動画制作での役割・作り方と発注のポイント

絵コンテとは?動画制作での役割・作り方と発注のポイント

最終更新日:2026年8月31日

絵コンテとは?動画制作における役割と意味

絵コンテとは、映像を1カットずつ「絵(画面のイメージ)」と「文字(セリフ・ナレーション・秒数・カメラの動きなどの指示)」で書き表した、撮影・編集に入る前の映像の設計図のことです。

「コンテ」は英語の continuity(コンティニュイティ=連続性)を略した映像業界の言葉で、映像の流れを切れ目なくつなぐための書類、という意味合いを持っています。英語では storyboard(ストーリーボード)と呼ばれ、日本の制作現場では「画コンテ」と書いたり、単に「コンテ」と略したりすることもあります。

完成映像を撮影・編集する前に、どんな構図で、何を映し、どんなナレーションや音を載せるのかを1カットずつ書き出しておくことで、制作チームとクライアントが同じ完成イメージを共有できます。アニメーション・CM・企業PR動画・研修動画など、映像の種類を問わず幅広い制作現場で使われています。

絵コンテの基本概要

絵コンテは、映像作品の設計図として機能し、クリエイターや制作スタッフが共通のビジョンを共有するために作成されます。各シーンのイラストや説明が含まれており、映像全体の流れや構成を視覚的に確認することができます。

なお「どのシーンをどの順番で見せるか」という映像全体の骨組みを決める工程は構成案(構成台本)と呼ばれ、絵コンテはその構成案を1カットずつ視覚化したものにあたります。構成案づくりの考え方については「動画の構成案とは?作り方と撮影台本の書き方」もあわせてご覧ください。

絵コンテと構成案・字コンテ・台本の違い

動画制作では、絵コンテのほかにも似た名前の書類が登場します。役割の違いを整理しておくと、制作会社とのやり取りがスムーズになります。

書類何を決めるか形式
構成案(構成台本)どのシーンをどの順番で、どのくらいの尺で見せるかという映像全体の骨組み文章・箇条書き
台本(シナリオ・撮影台本)セリフ・ナレーション・ト書き(動作や状況の説明)を時系列で書いたもの文章
字コンテ(テキストコンテ)各カットの画面内容を、絵を使わず文字だけで書いたもの表形式の文章
絵コンテ各カットの画面イメージを絵と文字で示したもの絵+文字

絵コンテは「絵があるかどうか」で字コンテと区別され、「1カット単位で画面を決めているかどうか」で構成案・台本と区別されます。弊社の制作でも、構成案で全体の流れを決め、台本(シナリオ)でセリフやナレーションを固め、絵コンテで画面を確定する順に進めるのが基本で、案件によってはテキスト中心の字コンテで進めることもあります。

動画制作での絵コンテの重要性

動画制作において絵コンテは、作品の完成度を左右する重要な要素となります。具体的には以下の役割を担っています。

  • コミュニケーションツールとして:クライアントやプロデューサーとのディスカッション時に、アイデアや意図を明確に伝える手段となります。
  • 計画と準備をサポート:撮影や編集作業前にシーンの内容や配置を明確化し、円滑な進行と効率化を図ることができます。
  • コストと時間の管理:潜在的な問題点を事前に把握できるため、再撮影などによる追加コスト発生リスクを軽減できます。

絵コンテに含める情報

効果的な絵コンテには以下の情報が含まれます。

項目内容
カット番号各シーンの通し番号
映像イメージ構図・カメラアングルを示すラフスケッチまたはテキスト説明
ナレーション/セリフそのカットで流れる音声内容
時間尺各カットの秒数目安
演出指示カメラの動き・テロップ・BGM・効果音など

絵が得意でなくても、ラフなスケッチ+テキスト説明の組み合わせで十分に機能します。重要なのは視覚的な完成度より、伝えたい情報が正確に書かれていることです。

クライアント視点で見る絵コンテ

クライアントが絵コンテについて理解し、適切なフィードバックを行うことは成功する動画制作には欠かせません。以下はクライアントとして知っておくべきポイントです。

  • 全体像の共有:プロジェクト初期段階から全体像を見ることで期待以上の成果物が得られる。
  • 細部への配慮:細部まで確認することで完成品への満足度が向上します。
  • 現実的な期待値設定:絵コンテによって現実的な期待値を設定できるため、不必要な修正要求なども減少します。

絵コンテの書き方 — 作成の流れ6ステップ

絵コンテづくりは「絵を描く」作業というより、「何を・どの順番で・どう見せるか」を決める作業です。制作会社に依頼する場合も、この流れを知っておくと、どの段階で何を確認すればよいかが分かります。

  1. 目的・ターゲット・尺を決める
    誰に、何を伝え、見た人にどうなってほしいのかを最初に固めます。目的が「安全意識を高める」なのか「商品の使い方を覚えてもらう」なのかで、必要なカットも演出も変わります。制作会社に依頼する場合は、この段階の情報共有が絵コンテの精度を決めます。
  2. 構成案でシーンの順番を決める
    導入 → 本題 → まとめ、のように映像全体をシーンに分け、どの順番で見せるかを決めます。ここは「構成案」に相当する工程で、絵コンテの前に固めておきます。
  3. シーンをカットに分割する
    各シーンを、カメラが切り替わる単位(カット)に分けます。1カット=1つのメッセージを原則にすると、映像のテンポが崩れにくくなります。この時点でカット数と各カットの秒数を仮置きし、合計が目標の尺に収まるかを確かめます。
  4. 各カットの画面(絵)を描く
    構図(引きか寄りか)、被写体の位置、カメラの向きや動きが分かる絵を描きます。棒人間や四角で構いません。写真や参考画像を貼り込んでもよく、実写の場合はロケ地の写真を使うと関係者のイメージが揃います。
  5. セリフ・ナレーション・秒数・演出指示を書き込む
    カットごとに、流れる音声(セリフ・ナレーション)、テロップの文言、BGM・効果音、カメラワークの記号を記入します。ナレーションは声に出して読み、秒数と合っているかを確認します。
  6. 通しで読み合わせ、レビューして確定する
    最初のカットから順に読み通し、話の流れに飛躍がないか、当初の目的と合っているかを確認します。制作会社に依頼している場合は、この段階で修正依頼を出します。撮影後の修正より圧倒的にコストが低いため、納得いくまで調整することが重要です。絵コンテが確定したら撮影・編集へ進みます。絵コンテが整っているほど現場での判断ブレが減り、スムーズな進行につながります。

絵コンテ作成時の注意点

絵コンテは動画制作の設計図です。発注者として注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 目的との整合性確認
    絵コンテの内容が当初設定した動画制作の目的と一致しているか確認します。ここでズレが生じていると最終成果物にも影響が及びます。
  • 現実的な実行可能性
    制作スケジュールやコスト面で無理がない内容になっているか再確認しましょう。あまりにも理想的すぎる計画は現場で混乱を招く可能性があります。費用感は動画制作の料金・費用の目安もご参照ください。
  • メッセージ過多への配慮
    一度に多くのメッセージを伝えようとすると焦点がぼけてしまいます。主要なメッセージは絞り込み、それが視覚的にも効果的に表現されているかチェックしましょう。

絵コンテのテンプレートと記入例

絵コンテ用紙の基本フォーマット

絵コンテ用紙に決まった様式はありませんが、動画制作で使われるものは、上から下へ時間が流れる「縦型」が中心です。次の表をそのまま Excel・スプレッドシート・PowerPoint に貼り付ければ、テンプレートとして使えます。

No.画面(絵)内容・カメラの動きセリフ/ナレーションテロップ・BGM・SE
1(絵・写真・参考画像)
2(絵・写真・参考画像)
3(絵・写真・参考画像)
  • No.:カット番号。シーンをまたぐ場合は「S1-C3」(シーン1のカット3)のように書くと、修正のやり取りで場所を指定しやすくなります。
  • 画面(絵):構図が分かる絵。上手さは不要で、「何が・どこに・どの大きさで映るか」が分かれば十分です。
  • 内容・カメラの動き:画面で起きていることと、カメラワーク(後述の記号)。
  • セリフ/ナレーション:そのカットで流れる音声。ナレーションは「N」、セリフは話者名で区別します。
  • :各カットの秒数。合計が目標の尺に収まるかをここで確認します。
  • テロップ・BGM・SE:画面に載せる文字、音楽、効果音。

記入例:安全教育動画の冒頭3カット

弊社が制作した製造業向けの安全教育動画(CG再現)の構成を簡略化した記入例です。事故の概要は静止画や簡易な表現で説明し、事故が起きる瞬間の再現にCGを集中させる、という費用配分が絵コンテの段階で決まっていることが分かります(構成の考え方を示すための例で、ナレーション文・秒数は説明用のものです)。

No.画面(絵)内容・カメラの動きセリフ/ナレーションテロップ・BGM・SE
1工場の作業エリア全景(静止画)事故の概要を紙芝居的に説明。FIXN「この事故は、〇〇ラインでの△△作業中に発生しました」10秒T:日時・場所・作業内容/BGM:静かなトーン
2作業者の手元(CG・寄り)事故直前の動作をCGで再現。危険な手順の部分でスローモーションN「本来は□□を確認してから作業に入るところ、確認が省略されていました」15秒SE:機械音/T:「確認の省略」
3画面全体にポイント表示再発防止のポイントを順番に表示N「再発防止のポイントは3つです」8秒T:ポイント①〜③/SE:表示音

絵が描けなくても絵コンテは作れる?

作れます。絵コンテの絵は上手さより「何が・どこに・どの大きさで映るか」が伝わることが目的で、棒人間や四角で十分です。写真や参考画像を貼り込む、文字だけの字コンテにする、といった方法もあります。

弊社でも「映像の完成イメージが持てない」というお客様には、テキストベースのナレーション案・シーン説明を中心に構成を組み、イメージ参考画像やサンプル動画を組み合わせて提案しています。絵の得意・不得意よりも、伝えたい情報が正確に書かれているかどうかが絵コンテの価値を決めます。


絵コンテでよく使う記号・用語

制作会社から届く絵コンテには、カメラワークや編集の指示が記号で書かれています。発注者がすべて覚える必要はありませんが、次の表にあるものが読めれば、絵コンテの確認で困ることはほとんどありません。

記号・用語読み方意味
S/Cシーン/カット「S1-C3」のように場面と番号を示す
FIXフィックスカメラを固定したまま撮る
PANパンカメラを左右に振る(上下に振る場合はティルト)
TU/TBトラックアップ/トラックバックカメラ自体が被写体に近づく/離れる
ZI/ZOズームイン/ズームアウトレンズ操作で被写体に寄る/引く
LS/MS/CUロングショット/ミディアムショット/クローズアップ引き/中間/寄りの画面サイズ
FI/FOフェードイン/フェードアウト黒(白)から画面が現れる/画面が消えていく
OLオーバーラップ前のカットと次のカットを重ねながら切り替える
N/T/SEナレーション/テロップ/効果音音声・画面上の文字・効果音の指示
ワイプ(PinP)ワイプ/ピクチャーインピクチャー画面の中に別の小画面を重ねる(講師とスライドの同時表示など)

動画制作を依頼するときの絵コンテの準備と伝え方

動画制作の目的とターゲットの明確化

動画制作を成功させるためには、絵コンテ作成前に動画の目的をはっきりさせることが重要です。商品やサービスの認知拡大、ブランドイメージ向上など、目標に応じてコンテンツが変わります。そのため、ターゲット層を具体的に設定し(年齢、性別、職業など)、その人々がどういった情報に反応するかを考えることで、より効果的な絵コンテ作成へとつながります。

伝えたいメッセージを1〜2つに絞る

具体的な達成目標を設定したら、それに合わせて絵コンテで伝えたいメッセージを1〜2つ程度に絞ると、視聴者に理解しやすい動画が生まれます。ターゲット層は視覚的な要素にも大きく影響します。若者向けの動画ではポップな演出が好まれる一方、ビジネスパーソンにはプロフェッショナルかつシンプルな表現が求められることがあります。絵コンテにこれらの視点を反映することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

媒体ごとの仕様への対応

配信予定の媒体によって絵コンテも異なる形で準備する必要があります。例えばYouTube向けなのか、Instagram用なのかで縦横比や尺制限が変わります。こうした技術的要件も考慮しながら進めることで無駄なく動画制作依頼ができます。

絵コンテには具体的でシンプルな指示を記載

制作会社やクリエイターに誤解なく意図が伝わるように、絵コンテには具体的かつ簡潔な指示を書きましょう。特にセリフやナレーションは端的ながらも本質を突いた表現になるよう心掛けます。大まかなカット割りからシーンごとの秒数まで計画しておくことで、スムーズな動画制作プロセスを実現します。

早い段階でのアイデア共有と積極的なフィードバック

自社内だけでなくクリエイティブパートナーとも早期段階でアイデアを共有することが重要です。絵コンテはあくまでイメージ図なので、その旨伝えつつ柔軟な意見交換を行うことで完成度の高い映像作品につながります。絵コンテ作成後は提案や修正依頼などクライアントとして積極的に関与し、自社のビジョンに沿った内容か常に確認します。早い段階で課題点や修正箇所を指摘すれば完成作品にも満足できる結果となります。また、その際のコミュニケーションは建設的且つ未来志向で行うことが重要です。

絵コンテは発注者が用意するもの?制作会社が作るもの?

制作会社に依頼する場合、絵コンテは制作会社が作成し、発注者は内容の確認とフィードバックを行うのが基本です。発注者側で用意しておきたいのは、目的・ターゲット・伝えたいメッセージ・使用媒体・必ず入れたい要素と避けたい表現の5点です。これが揃っていると絵コンテ初稿の精度が上がり、修正の回数が減ります。

弊社では絵コンテ・シナリオの作成段階から一貫して担当するケースが多く、お客様からいただいた資料や情報を整理して、映像化しやすい構成に組み替えたうえでご提案しています。


絵コンテ・シナリオ制作の実績・事例

絵コンテの段階で「どこに費用をかけ、どこを簡易に済ませるか」「現場で何を確実に撮るか」を決めておくと、制作費と教育効果・訴求力の両立につながります。弊社が絵コンテ・シナリオの段階から担当した事例をご紹介します。

安全教育のCG再現動画:絵コンテ段階でCGを使う場面を絞り込む

研修動画制作の一例として、製造業向けの安全教育動画では、実写では撮影できない事故再現シーンのシナリオを弊社で作成しました。事故の概要は簡易な表現にとどめ、本編の事故再現部分にCGを集中投入する構成を絵コンテ段階で整理したことで、無駄な実写や複雑なカットを省き、制作費を大幅に抑えながら教育的な効果は維持しています。

製造業安全教育研修用CG再現動画
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コンプライアンス研修ドラマ:シナリオで「自分事」になる流れをつくる

航空業界向けのコンプライアンス研修では、実写のドラマ形式で接客現場を想定したシーンを構成しました。紙のマニュアルや一般的な研修では伝わりにくい内容を、対象者が「自分事として受け止めやすい流れ」にするため、シナリオの段階から会話・登場人物設定・状況設定を詰め、ロケ地や演出で現実感のあるシチュエーションを再現しています。日本語・英語の吹き替え・字幕にも対応しました。

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病院紹介動画:台本と進行設計で撮影当日の判断ブレを防ぐ

看護師採用向けの病院紹介動画では、病院の通常業務を妨げずに必要な素材を確実に撮影することを最重視しました。医療現場では意図したタイミングで撮影したい場面が発生するとは限らないため、当日の進行管理・台本・タイムスケジュールを事前に丁寧に設計しています。実写撮影において、絵コンテや台本は「現場で迷わないための段取り」として機能します。

看護師採用向け病院紹介動画制作
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看護師採用向け病院紹介動画制作

このほか、採用動画・PR動画では、クライアントから提供された情報を整理して映像化しやすい構成に組み替え、分かりやすい形でプレゼンすることで、スムーズな制作進行と高い満足度につながっています。決算発表会のライブ配信のように「やり直しのきかない」案件でも、進行台本をもとにカメラワークとスイッチングを事前に設計する考え方は同じです(株主総会・IR動画制作)。

絵コンテ・構成案づくりは、どの制作ジャンルでも品質を左右する共通の工程です。対応できる映像の種類は映像制作ジャンル一覧からご確認いただけます。


まとめ

これらの流れと注意点を押さえておけば、発注者としてよりよい絵コンテ作成支援となり、その後進む撮影・編集プロセスでも成功への道筋が明確になるでしょう。

絵コンテは映像制作の品質・コスト・スケジュールを守るための重要なプロセスです。手間のかかる工程に見えますが、後工程での手戻りを防ぐことを考えると、絵コンテ段階での時間投資は必ず回収できます。あわせて、映像全体の骨組みを決める構成案の作り方を押さえておくと、絵コンテづくりがよりスムーズになります。

弊社では絵コンテ・シナリオ制作から撮影・編集・納品まで一貫して対応しています。「どんな動画にすればいいかわからない」という段階からでもお気軽にご相談ください。

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執筆者

japanlaim editorial

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